2017年03月31日

株式会社みんなのクレジットに対する行政処分

 金融庁が、ソーシャルレンディング大手の「株式会社みんなのクレジット」に対して、行政処分を行いました。
 「株式会社みんなのクレジット」に於いては、平成29年3月30日から同年4月29日まで金融商品取引業のすべての業務(顧客取引の結了のための処理を除く。)が停止されます。

 ソーシャルレンディングは、投資家がソーシャルレンディングを運営している会社に投資を行い、ソーシャルレンディングを運営している会社が金利は高くてもお金を借りたい会社にお金を貸し、投資家は予想利回り5%〜15%を受け取る予定になっています。

 問題点として、以下が挙げられています。
○親会社(株式会社ブルーウォールジャパン)やグループ会社への貸付が大部分
○ファンドから借り入れた資金の返済について他の償還期限が到来していないファンドの資金を充当
○複数の不動産事業会社等に対し貸付けを予定しているかのような表示
○担保が設定されていない貸付けも存在
○ファンドの償還資金に他のファンド出資金が充当されている
○キャッシュバックキャンペーンの還元原資が親会社へ貸し付けたファンド出資金が還流して充当
○代表取締役がファンド出資金を、親会社やグループ会社への貸付を通じて自身の借入れ返済等に使用している
○親会社やグループ会社の増資にファンド出資金が充当
○ファンドからの借入れを返済することが困難な財務の状況

 昨今、様々な企業でグループ会社が増えており、親会社やグループ会社の資金繰りをグループ会社内で補填する方法は頻繁に行われています。また、親会社やグループ会社内の取引であれば下請法の適用外のため、親会社やグループ会社間の取引は、様々な事が可能になります。

 「株式会社みんなのクレジット」は、日本投資者保護基金に加入していませんので、会社が破産手続きを行った場合には、投資したお金は返ってこない可能性が高いかと思われますが、証券・金融商品あっせん相談センター(https://www.finmac.or.jp/)に相談してみるのも良いかと思います。



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2017年03月30日

「株式会社てるみくらぶ」の営業停止に伴う弁済手続きについて

 観光庁が、観光庁長官登録第1種旅行業者である「株式会社てるみくらぶ」が3月27日に営業を停止(破産手続き開始)したため、旅行取引により生じた債権を有する旅行者は、一般社団法人日本旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する事を公表しました。

 弁済を受ける権利のある方は、一般社団法人日本旅行業協会の認証を受ける必要があるとされています。
 http://www.mlit.go.jp/kankocho/topics06_000101.html

 但し、弁済限度額の総額は1億2千万円となっており、その1億2千万円を認証申出額の割合に応じて比例按分した金額が弁済されます。ツアー申込者や返金対象者への弁済だけでも約99億円になっていますが、弁済限度額の総額は1億2千万円となっているため、満額返金はされる事はないかと思います。

 国土交通省大臣の会見要旨は、以下の通りです。
「この旅行会社に対しましては、観光庁より、海外旅行をされている方が円滑に日本に帰国できること、及び既にこの旅行会社に対して予約されている方に対しての誠実な対応を行うよう求めているところです。」
「また、観光庁としましては、関係者と連携し、海外旅行されている方が円滑に帰国できるよう、必要な対応を行っているところです。具体的には、現在渡航されている方の円滑な帰国が優先であるため、その点に関する情報の収集等を行うため、25日にこの旅行会社に対し立ち入り検査を行いました。」
「この旅行会社を利用して旅行されているお客様につきましては、既に航空券が発券されており、運送契約が成立し、運送義務が発生します。そこで改めて、国土交通省より航空会社に対して、お客様が円滑に帰国できるよう、27日にその旨を周知したところです。」
 「また、旅行者が渡航している国・地域の在外公館に対し、邦人旅行者より支援要請があった場合には、日本からの送金方法を御案内する等必要な支援を行うよう、外務省に依頼し、25日夜までに連絡が行われたものと聞いております。」

 さて、旅行に出発しておらず代金を支払った方(代金を支払った時点で旅行契約締結済)への対応・対策は、現時点では、観光庁による「弁済業務保証金から弁済を受ける権利」がある事を伝えているだけとなっています。

 現在の旅行業法第12条の10において「旅行業者は、企画旅行を実施する場合においては、旅行者に対する運送等サービスの確実な提供、旅行に関する計画の変更を必要とする事由が生じた場合における代替サービスの手配その他の当該企画旅行の円滑な実施を確保するため国土交通省令で定める措置を講じなければならい。」とされています。
 第12条の10の国土交通省令で定める措置は、旅行業法施行規則第32条にて、次のとおりとなっています。
(1) 旅行に関する計画に定めるサービスの旅行者への確実な提供を確保するために旅行の開始前に必要な予約その他の措置
(2) 旅行地において旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置(本邦内の旅行であつて、契約の締結の前に旅行者にこれらの措置を講じない旨を説明し、かつ、当該旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合を除く。)
(3) 旅行に関する計画に定めるサービスの内容の変更を必要とする事由が生じた場合における代替サービスの手配及び当該サービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置(本邦内の旅行であつて、契
約の締結の前に旅行者にこれらの措置を講じない旨を説明し、かつ、当該旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合を除く。)
(4) 旅行に関する計画における2人以上の旅行者が同一の日程により行動することを要する区間における円滑な旅行の実施を確保するために必要な集合時刻、集合場所その他の事項に関する指示

 本来、倒産手続き開始前に、代替サービスの手配その他の当該企画旅行の円滑な実施を確保するため国土交通省令で定める措置を実施しなければならなかったはずです。
 しかし、代替サービスの手配その他の当該企画旅行の円滑な実施を確保するため国土交通省令で定める措置を実施をしなくても罰則はなく、旅行業又は旅行業者代理業が営めなくなるだけのものとなっています。

 もし、役員等に対して禁固等の罰則等があれば、代替サービスの手配その他の当該企画旅行の円滑な実施を確保するため国土交通省令で定める措置が行われていたかもしれません。



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2017年03月29日

働き方改革に関する特命委員会最終報告

 自由民主党が、働き方改革に関する特命委員会最終報告を公開しました。

 働き方改革に関する特命委員会最終報告では、以下報告を挙げ、政府は本報告を踏まえた「働き方改革実行計画」を取りまとめ、政府・党一体で、改革を確実に実行していくものとするとされています。

1. 同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善と賃金の引上げ
(1)同一労働同一賃金に向けた法改正の方向性
1: 労働者が司法判断を求める際の根拠となる規定の整備
  有期雇用労働者・派遣労働者について、均衡だけでなく均等にも踏み込んで、労働者が司法判断を求める際の根拠となる規定の整備を行う。
2: 労働者に対する待遇に関する説明の義務化
  労働者に対する待遇に関する説明義務を、事業者に課す法改正を行う。
3: 行政による裁判外紛争解決手続の整備
  裁判外紛争解決手段(行政ADR)を整備し、当事者が身近に、無料で利用できるようにする。
4: 派遣労働者に関する法整備
  派遣先事業者に対し、派遣元事業者への情報提供義務を課す法改正を行う。
(2)法改正の施行に当たって
  十分な法施行までの準備期間を確保する。
(3)企業への賃上げの働きかけや取引条件の改善
  過去最高の企業収益を継続的に賃上げに確実につなげ、近年低下傾向にある労働分配率を上昇させ、経済の好循環をさらに確実にすることにより総雇用者所得を増加させていく。
  最低賃金については、年率3%程度を目途として、名目GDP成長率にも配慮しつつ引き上げていく。

2. 罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正
(1)法改正の方向性・5年後の見直し
  法律の施行後5年を経過した後適当な時期において、この法律による改正後の規定の実施状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行うものとする。
(2)時間外労働の上限規制
  臨時的な特別の事情がある場合として、労使が合意して労使協定を結ぶ場合においても、上回ることができない年間の時間外労働時間を1年720時間とし、かつ、1年720時間以内において、一時的に事務量が増加する場合について、最低限、上回ることのできない上限を設けることとする。
  この上限について、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月の平均で、いずれにおいても、80時間以内を満たさなければならないとする。
  時間外労働の限度の原則は、月45時間、かつ、年360時間であることに鑑み、これを上回る特例の適用は、年半分を上回らないよう、年6回を上限とする旨、労働基準法上、義務づける。
(3)勤務間インターバル制度
  事業者は、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努めなければならない旨の努力義務を課し、制度の普及促進に向けて、労使関係者を含む有識者検討会を立ち上げる。
(4)取引慣行など社会システムと企業経営の一体改革の推進
  社会システムと企業経営を一体として改革するための取組を強力に推進する。
  技術革新の成果を活用し、IT 投資と併せて業務や組織そのものの見直し(BPR)を推進し、働き方改革と生産性向上を図る。
(5)高度プロフェッショナル制度の創設等
  高度プロフェッショナル制度の創設や企画業務型裁量労働制の見直しなどの多様で柔軟な働き方の実現に関する法改正について、国会での早期成立を図る。

3. より柔軟な働き方への環境整備
(1)テレワークのガイドライン刷新と導入や働き手への支援
  これまでは自宅での勤務に限定されていた雇用型テレワークのガイドラインを改定し、併せて、長時間労
働を招かないよう、労働時間管理の仕方も整理する。
(2)副業・兼業の推進に向けたガイドライン等の策定
  労働者の働き過ぎを防止する措置を講じつつ、原則副業・兼業を認める方向で、副業・兼業の普及促進を図る。
(3)多様な女性活躍の推進、子育て・介護と仕事の両立支援
  働きたい人が就業調整を意識せずに働くことができる環境をつくる。配偶者控除等については、配偶者の収入制限を103万円から150万円に引き上げる。
  子育てを理由に仕事を辞めずに済むよう、保育所が見つからない場合などは、育休給付の支給期間を最大2歳まで延長する。同時に、子供が病気になった時にも、気兼ねなく休めるような職場環境の整備を図る。
  介護と仕事が両立しやすい職場環境整備に取り組む。
(4)病気の治療と仕事の両立
  治療と仕事の両立に向けて、主治医、会社・産業医と、患者に寄り添う両立支援コーディネーターのトライアングル型のサポート体制を構築する。
  具体的には、主治医と会社の連携の中核となり、患者に寄り添いながら、個々の患者ごとの治療・仕事の両立に向けたプランをまとめる両立支援コーディネーターを育成・配置する。

4. 希望する分野への就労に向けた人材育成
(1)女性のリカレント教育の充実
  大学等におけるリカレント教育を受け、その後再就職支援を受けることで、それぞれのライフステージに合った仕事を選択しやすくする。
(2)非正規雇用の若者のキャリアアップ支援
  若者雇用促進法に基づく指針を改定し、希望する地域等で働ける勤務制度の導入など多様な選考・採用機会を促進する。
  35歳を超えて離転職を繰り返すフリーター等の正社員化に向けて、同一労働同一賃金制度の施行を通じて均等・均衡な教育機会の提供を図るとともに、個々の対象者の職務経歴、職業能力等に応じた集中的な支援を行う。
(3)中高年の転職・再就職支援
  年齢にかかわりない多様な選考・採用機会の拡大に向けて、転職者の受け入れ促進のための指針を策定し、経済界に要請する。また、転職・再就職向けのインターンシップのガイドブックを作成し、企業と大学の実践的な連携プログラムを支援する。
(4)賃上げ企業や人材育成に取り組む中小企業への支援
  賃上げに積極的な企業等を後押しするため、税制、予算措置など賃上げの環境整備に取り組む。具体的には、賃上げに積極的な事業者を、税額控除の拡充により後押しする。また、生産性向上に資する人事評価制度や賃金制度を整備し、生産性向上と賃上げを実現した企業への助成制度を創設する。
  生産性向上に取り組む企業等への支援を充実させるため、雇用関係助成金に生産性要件を設定し、金融機関との連携強化を図るなどの改革を行う。
(5)誰にでもチャンスのある教育環境の整備
  学校教育段階から実践的な職業能力を有する人材を育成するため、幼児期から高等教育に至るまでの体系的なキャリア教育を推進する。
(6)障害者等の能力を活かした就労支援の推進
  障害者雇用ゼロ企業が障害者の受入れを進めるため、実習での受入れ支援や、障害者雇用に関するノウハウを付与する研修を行うとともに、障害者雇用に知見のある企業 OB 等の紹介・派遣を行う。
  また、発達障害やその可能性のある方も含め、その特性に応じて一貫した修学・就労支援を行えるよう、教育委員会・大学、福祉・保健・医療・労働等関係行政機関と企業が連携する体制を構築する。

5. 重点分野での人材不足解消
(1)分野別の人材不足状況の把握
  分野別に人材不足の状況を職種別などで把握するとともに、中期的な傾向についても把握することとする。
(2)人材不足分野の充足対策
  保育・介護といったケアワークなど人材需要の高い分野の長期の離職者訓練コースを拡充する。
  人材確保のニーズが高い地域のハローワークに人材確保支援の総合専門窓口を創設し、業界団体と連携して人手不足業種のマッチング支援を強化する。
(3)海外からの人材充足のための環境整備
  高度な外国人材を我が国に惹き付け、長期にわたり活躍してもらうため、高度外国人材の永住許可申請に要する在留期間を現行の5年から世界最速級の1年とする日本版高度外国人材グリーンカードを創設する。

 さて、現状は、多くの会社において、「下」に責任とリスクを押し付け「上」が延命をはかっていくシステムとなっており、役職者や管理職の知識・経験・能力不足により、生産性が低い状況が散見されています。
 働き方改革は、「下」に責任とリスクを押し付け「上」が延命をはかっていくシステムを廃止し、労働者への対策と共に、役職者や管理職の知識・経験・能力不足を解消する施策が必要かと思います。




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