2018年07月04日

太陽光発電のリサイクル・適正処分等に関する検討チームの取りまとめ

 環境省が、太陽光発電のリサイクル・適正処分等に関する検討チームの取りまとめの結果を公表しました。

 太陽光発電のリサイクル・適正処分等に関する検討チームの取りまとめの結果は、「太陽光発電設備のリユース・リサイクル・適正処分及び導入に当たっての環境配慮の推進について」として公開されています。
 http://www.env.go.jp/press/105678.html

 課題として、以下の点を挙げています。

○リユース
 不適正リユースを防ぐための判断基準が未整備
 リユース可否の診断や物流に係るコストの低減

○有害物質に関する情報提供
 太陽電池モジュールに含まれる鉛等の有害物質への懸念により、一部の最終処分業者が受入れに慎重な姿勢をとっている
 製品寿命が長く、排出時に製造業者等が不存在となり、有害物質等の情報が処理事業者に適切に伝達されず、適正かつ円滑な処理に支障を来す可能性

○処理能力の確保
 急激な排出量の増加が見込まれることから、将来的に処理能力が不足するおそれ

○資源の有効利用
 単純に市場に委ねれば、リサイクルが選択されにくく、太陽電池モジュールのうちアルミ枠を除く部分を埋立処分した場合、ピーク時で年間230〜370億円相当の有用資源(銀等)が未回収となる(環境省調査)

○最終処分場の残余容量
 アルミ枠を除く部分の全量を埋立処分した場合、ピーク時には2025年度の産業廃棄物最終処分量目標値の4〜7%に達し、最終処分場の残余容量への影響の懸念

○撤去・廃棄費用の積立
 将来の撤去・廃棄費用を確保している発電事業者は3割以下に留まり、発電事業終了後に放置や不法投棄が発生するおそれ

○導入に当たっての環境配慮の推進
 森林伐採等に伴う土砂流出や濁水、生態系への影響や景観への影響を回避・低減するための仕組みが未整備


 「太陽光発電設備のリユース・リサイクル・適正処分及び導入に当たっての環境配慮の推進」のため、大規模太陽光発電事業について、環境影響評価法の対象事業とすることも含めて、導入に当たっての環境配慮を推進するための適切な制度の検討を早急に行うべきであり、今夏にも検討会を立ち上げて検討を開始するとされています。

 平成30年3月30日に総務省によって公開された「太陽光発電設備の廃棄処分等に関する実態調査」<勧告に対する改善措置状況(1回目のフォローアップ)の概要>では、「パネルの有害物質情報は排出事業者から産廃処理業者に十分提供されず、含有の有無が未確認のまま、遮水設備のない処分場に埋立てられている」事が報告されています。

 太陽電池モジュールはRoHS指令の適用対象外とされており、鉛やカドミウムなどの環境汚染を引き起こす物質も含まれているものもあり、関係法令に沿って適正な廃棄処理等が必要ですが、産廃処理業者が含有状況を確認しようとパネルメーカーに照会してもメーカーは情報開示を拒否しています。

 制度の早期導入が、国内リサイクル産業の振興や先進的なリユース・リサイクル技術の国際展開につながることが期待されています。

 先ごろ、フランスでは、1,300トンの太陽光パネルをリサイクルできるヨーロッパ圏内初の工場が稼働し始めました。(2022年までには4000トンリサイクル可能予定)

 省庁職員の方には、フランスの太陽光パネルリサイクル工場への視察を早めに行い、今後の制度導入に視察の結果を活かして欲しいと思います。



posted by Auctor at 08:00 | Comment(0) | 時事ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月03日

手放したい気持ちにつけ込む・・・原野商法の二次被害

 政府広報オンラインにて、「手放したい気持ちにつけ込む・・・原野商法の二次被害」が公開されました。

 「原野商法」は、値上がりする見込みがほとんどない原野や山林などを、「将来値上がりする」などと嘘の説明をし、高額で販売する手口とされています。
 昨今、その被害に遭った方を再び狙う「二次被害」が増えているとしています。
 https://www.gov-online.go.jp/pr/media/tv/kasumigaseki/movie/20180701.html

 政府広報オンラインでは、「不動産の放棄はできない」事を説明しておらず、単に、被害に遭わないための方法を紹介しています。

 昨今、資産価値がほとんどなく、固定資産税や維持・管理費・修繕積立金等を支払い続けなければ不動産が増えてきています。
 現状では、別の所有者に移転できない不動産は、相続人全員が相続放棄し、相続財産管理人を選任し、国庫に帰属させるしかない状態です。
 相続人全員が相続放棄しただけでは、民法940条「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。」により、相続放棄した不動産の管理を継続をしなければならない状況となっています。

 「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太方針)に於いて、「土地を手放すための仕組み等について検討し、2018年度中に制度改正の具体的方向性を提示した上で、2020年までに必要な制度改正の実現を目指す。」としています。

 また、2018年6月1日に開催された「所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議」に於いて、「現行法上、土地所有権の内容は法令の制限に服し、公共の福祉優先の理念に基づく立法が妨げられるものではないことを明確にしつつ、相続等が生じた場合に、相続登記の義務化等を含め、これを登記に反映させるための仕組みや、管理不全な土地等について、土地を手放すことができる仕組み(所有権の放棄、その帰属等)、長期間放置された土地の所有権のみなし放棄の制度のほか、民事における土地利用の円滑化を図る仕組み(相隣関係、共有、財産管理制度等)など、登記制度・土地所有権等の在り方について検討し、来年2月を目途にこれらの仕組みの構築に向けた具体的方向性や検討課題を幅広く提示する。」とされています。

 2020年の制度改正がどうなるか現時点で不明ですが、昨今の様々な制度改正は、業界団体の声を聞いた結果が反映される事が多く、不動産を手放したい方にとって良い制度改正になるかどうか気になるところです。



posted by Auctor at 08:00 | Comment(0) | 時事ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月30日

「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が成立

 「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が成立しました。

 「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」では、高度プロフェショナル制度による三倍の額を相当程度上回る水準は、必ずしも一般労働者を指している訳ではない事が伺えます。

 「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額(厚生労働省において作成する毎月勤労統計における毎月きまつて支給する給与の額を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した労働者一人当たりの給与の平均額をいう。)の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上であること。」

 労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額は、法律上では、パートタイム労働者の基準年間平均給与額でも要件が足りる事となります。

 また、「当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に第三項(労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる場合)の限度時間を超えて労働させる必要がある場合」であれば、特別条項付き36協定での1ヶ月時間外労働上限上限100時間以内とする事が可能になります。

 言い換えると、ありとあらゆる残業は、「通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い」の理由により、特別条項付き36協定に1ヶ月時間外労働上限100時間が可能になります。

 正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の是正は、正規雇用労働者に合わせるのではなく、非正規雇用労働者への待遇に合わせる事で、待遇差の是正は成し遂げられます。

 ルールを最大限に活用すれば、パートタイム労働者の基準年間平均給与額の3倍で働かせ放題・全ての社員の待遇は非正規雇用労働者にあわせ、ありとあらゆる残業は「通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い」の理由で実施可能になります。

 施行期日は、平成31年4月1日からとなるため、来年度からの新入社員にもれなく適用する事が可能になります。

 これが働き方改革の実態かと思います。



posted by Auctor at 08:00 | Comment(0) | 時事ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする